障害を負っている方が得られる公的に支給されるものとして「障害年金」は徐々に知られるようになって来ました。ですが、その他にこの「障害年金」と同時に得ることができる公的手当があることを皆さんはご存知だったでしょうか。そのような手当が存在し、「特別障害者手当」と言います。この「特別障害者」がどのような手当なのかを紹介します!

特別障害者手当

特別障害者手当は、精神又は身体に著しい重度の障害があるために、日常生活において常時特別な介護が必要な20歳以上の在宅障害者に支給される手当です。 この特別障害者手当は、障害年金よりもらいやすいので、申請手続きをすることをオススメしますが、この手当には必要な要件があります。

以下に特別障害者手当の基礎情報について記載します。 該当する方はまずはお気軽に当事務所にお問い合わせ下さい。

(1)手当金

月額26,260円(平成25年4月現在)
手当てについては、認定されると申請日の翌月分からの支給となります。
2・5・8・11月に前月分までの手当を支給します。

(2)前提条件

●申請日現在、満20歳以上であること
●施設に入所していないこと
●3か月以上病院等に入院していないこと
●毎年の所得が基準以下であること

※詳しい基準については、当事務所にお問い合わせ下さい。

(3)対象者

日常生活において、常時特別の介護を必要とする状態で、下記の基準一覧の障害が2つ以上あるかそれと同等以上の状態の方が対象となります。

●身体障害者手帳1・2級程度の異なる障害が重複している方
●身体障害者手帳1・2級程度の障害及び重度知的障害(知能指数20以下)が重複している方
●精神障害、血液疾患、肝臓疾患、その他疾患により、以下のことがほとんど1人ではできず、日常生活に支障をきたしている方

食事,用便(月経)の始末,衣服の脱着,簡単な買い物,家族との会話,家族以外との会話,戸外での危険から身を守る(交通事故),刃物・火の危険の認知

(4)基準

① 両目の視力の和が0.04以下のもの(矯正視力による)

② 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

③ 両上肢の機能に著しい障害を有するもの、又は両上肢のすべての指を欠くもの。もしくは両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの

④ 両下肢の機能に著しい障害を有するもの又は両下肢を足関節以上で欠くもの

⑤ 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの

⑥ ①~⑤のほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が①~⑤と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
または精神の障害であって、1~6と同程度以上と認められる程度のもの

尚、あくまでも「障害者手帳」を所持していることが前提なので、「介護保険」の要介護2などの評価は、当該「特別障害者<手当」の認定には利用することができない。

⇒ 介護保険の評価しか受けていない場合は、まずは「障害者手帳」の所持、と「特別障害者手当」の認定を受けることができるかどうかを主治医にご相談頂けたらと思います。

(手続)

次の書類を添えて、それぞれのお住まいの市区町村役場へ提出します。

• 認定請求書
• 障害の程度について医師の診断書
• 所得状況届
• その他必要な書類

受給後は、毎年8月に現況届を提出します。
また、有期認定期間が切れるときは、再度診断書を作成して提出します。

認定基準に関するQ&A

Q1 腎臓の機能障害の認定基準について

腎臓の機能障害の認定基準について 「腎臓の機能障害の程度は、慢性透析療法を行う必要があるものについては、当該療法実施前の状態で判定するものとする。」とありますが、「当該療法実施前の状態」とは、具体的にはいつの状態のことを指すのでしょうか?

A 慢性透析療法 を行っている人の場合は、直近の透析前の状態(透析と透析の間の状態)で判定されることになります。

特別障害者手当の診断書を主治医に依頼をする際に、「下記の件を満たしている場合は作成をお願いします」という依頼の仕方をお勧めします。

1,「内因性クレアチニンクリアランス15ml/分未満」又は「推算糸球体濾過値(eGFR)15未満」

かつ

2,自己の身辺の日常生活活動が著しく制限されるか、又は①尿毒症性心包炎、②尿毒症性出血傾向、③尿毒症性中枢神経症状のいずれかの所見があるもの

3,下表の検査結果であること。

ネフローゼ症候群は、何らかの原因で蛋白質を血液中から尿へと放出しやすくなってしまい身体のむくみなどが出やすくなる状態を言います。 厳密には病気や疾患というより、蛋白尿が出やすくなる症状の総称です。糸球体に異常が起こることで発症し、糸球体が何らかの原因で膨張して蛋白質を通すことのできる大きさになってしまうことで、蛋白質が尿に漏れ出やすくなります。

人工透析内科

2 特別障害者手当の手続きの窓口は、年金事務所ですか?

  特別障害者手当は、障害年金とは運営する法律が異なる為、年金事務所は窓口にはなっていません。

申請窓口は、札幌市の場合、各区役所の「福祉支援係」となっています。

制度についての問合せは、札幌市の場合、

① 各区役所の「福祉支援係

区役所郵便番号住所福祉支援係 電話番号
中央区役所〒060-8612札幌市中央区大通西2丁目9011-205-3304
北区役所〒001-8612札幌市北区北24条西6丁目011-757-2464
東区役所〒065-8612札幌市東区北11条東7丁目011-741-2463
白石区役所〒003-8612札幌市白石区南郷通1丁目南8011-861-2449
厚別区役所〒004-8612札幌市厚別区厚別中央1条5丁目011-895-2481
豊平区役所〒062-8612札幌市豊平区平岸6条10丁目011-822-2459
清田区役所〒004-8613札幌市清田区平岡1条1丁目011-889-2041
南区役所〒005-8612札幌市南区真駒内幸町2丁目011-582-4743
西区役所〒063-8612札幌市西区琴似2条7丁目011-641-6945
手稲区役所〒006-8612札幌市手稲区前田1条11丁目011-681-2492

②札幌市 保健福祉局 障がい保健福祉部「障がい福祉課」 となっています。

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎3階 / 電話番号:011-211-2936

3 特別障害者手当を受給ですが、止めたい場合どうしたら良いですか?

 現在、特別障害者手当を受給しておりますが、逆に受給を止めることができますか?

 役所窓口に「福祉サービス利用者等異動届」を提出することで可能です。

Q4 施設入所する方が特別障害者手当を受給中。何か届出必要?

新しく入所される方が「特別障害者手当」を受給していることが解りました。住所が変わることで何か手続きが必要でしょうか?

 住所変更の手続きですが、「福祉サービス利用者移動届」の提出が必要です。

但し、注意が必要なのが下記に該当する住所変更をすると、【特別障害者手当】は支給されなくなります。

ただし、次のいずれかに当てはまる住所変更の場合は、特別障害者手当を受給できません。

  • 受給資格者(請求者)が、日本国内に住所を有しないとき。
  • 受給資格者(請求者)が、障害者支援施設等に入所しているとき(ただし、通所している場合は除く)。
  • 受給資格者(請求者)が、病院又は診療所に3か月を超えて入院しているとき。

尚、喪失した月分までは【特別障害者手当】が支給されます。例)7月7日に入所した場合は、7月分までは支給されます。

Q5 特別障害者手当の手続きの流れを教えて下さい。

特別障害者手当を受給したいと考えいます。どのような手続きの流れで進めたら良いでしょうか?

A 特別障害者手当を申請する場合は、お住まいの役所の保健福祉課福祉支援係の窓口に必要書類一式を提出して下さい。また、郵送で請求することも可能です。 

<必要書類>

1,特別障害者手当認定請求書

2,特別障害者手当所得現況届

3,特別障害者手当認定診断書

4,障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)

5,希望金融機関の通帳、又はキャッシュカードの写し

但し、請求書一式を提出する前に、「事前に窓口で相談をして頂けるとありがたいです」と窓口からは言われています。

Q6 特別障害者手当の受給できる目安を教えて下さい。

A 特別障害者手当を受給できる人は、下記の通りです。

精神身体に著しく重度の障害を有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする20歳以上の方が支給対象です。ただし、受給資格者(請求者)が、下記のいずれかに該当するときは、特別障害者手当は支給されません。

  • 日本国内に住所を有していない。
  • 障害者支援施設、特別養護老人ホーム等に入所している(ただし、通所の場合は除く)。
  • 病院又は診療所(介護老人保健施設、介護療養型医療施設及び介護医療院を含む)に3か月を超える入院をしているとき。

そして、「常時特別の介護を必要性」が、どのような(重度障害の)状態かですが、下記の表をご覧ください。

特別障害者手当の受給できる目安としては、障害が1つ場合、「1度(絶対安静)」の状態に該当する必要があります。例として、食事は、介護用ベッドで身体を起して貰って食事を摂る状態は2度に該当する為、特別障害者手当の受給対象にはなりません。

お問合せ先

お問合せは、下記の連絡先か、メールの場合はこちらのフォームをご利用下さい。

お問合連絡先 ℡:080-3268-4215 / ℡:011ー751-9885

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社会保険労務士法人ファウンダー  / 札幌障害年金相談センター

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