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筋萎縮性側索硬化症
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1. 筋萎縮性側索硬化症とは
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだん だんやせて力がなくなっていく病気です。しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をう け、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚や知能、視力や聴力、内臓 機能などはすべて保たれることが普通です。
2. この病気の原因はわかっているのですか
原因は不明ですが、神経の老化と関連があるといわれています。さらには興奮性アミノ 酸の代謝に異常があるとの学説やフリーラジカルの関与があるとの様々な学説がありますが、結論は出ていません。家族性ALSの約2割ではスーパーオキシ ド・ジスムターゼ(SOD1)という酵素の遺伝子に異常が見つかっています。最近になりTDP43, FUS, optineurin, ユビキリン2, C9ORF72と呼ばれる遺伝子にも異常が見つかってきており、次々に原因遺伝子が明らかになっています。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
多くの場合は、手指の使いにくさや肘から先の力が弱くなり、筋肉がやせることで始ま ります。話しにくい、食べ物がのみ込みにくいという症状で始まることもあります。いずれの場合でも、やがては呼吸の筋肉を含めて全身の筋肉がやせて力がは いらなくなり、歩けなくなります。のどの筋肉の力が入らなくなると声が出しにくくなり(構音障害)、水や食べ物ののみこみもできなくなります(嚥下障 害)。またよだれや痰(たん)が増えることがあります。呼吸筋が弱まると呼吸も十分にできなくなります。進行しても通常は感覚や知能は問題なく、眼球運動 障害や失禁もみられにくい病気です。
4. この病気にはどのような治療法がありますか
1.ALSの進行を遅らせる作用のある薬:リルゾール(商品名 リルテック)という薬が使われます。
2.対症療法(様々の症状を軽くする方法)
5)話しにくい、手の力が入らないなどの症状が進行すると家族や他の人とのコミュニケーションが大変になります。早めに新たなコミュニケーション手段の習 得を行うことが大切です。文字盤とよばれるコミュニケーションボードを使用するには最初に練習が必要です(日本 ALS協会新潟県支部のホームページに文字盤入門がありますhttp://www.jalsa-niigata.com/)。体や目の動きが一部でも残存 していれば、適切なコンピューター・マルチメディア(意思伝達装置)および入力スイッチの選択により、コミュニケーションが可能です。主治医の先生や地域 の保健師さん、介護保険のケアマネージャーさんあるいは各都道府県にある難病医療連絡協議会の難病医療専門員(難病医療連絡協議会・難病医療拠点病院)等 と相談してください。