「ぶどう膜炎 」とは

私たちの眼球の前方から後方にかけて、広い範囲に位置する構造物を「ぶどう膜」と呼びます。
「 ぶどう膜」は、虹彩、毛様体、脈絡膜といった部位を総称した呼び方です。

「ぶどう膜炎」は、「ぶどう膜」に炎症が起こった状態ですが、炎症の起こった部位によって呼び方が変わることもあります。
特定の部位のみに炎症が起こった場合には、たとえば“虹彩炎”と呼び方が変わることがあります。

また「ぶどう膜」の炎症がどの部位に発生しているかによっても、呼び方が変わることがあります。
前部ぶどう膜炎と呼ばれる場合には、「ぶどう膜」の前方に炎症が起こっている状態。
汎(はん)ぶどう膜炎と呼ばれる場合には、「ぶどう膜」の全体に炎症が広がっている状態。

このように、「ぶどう膜炎」という病気の名前だけでは、実際にどのような症状が出ているのかを把握しづらい傾向にあります。

「ぶどう膜炎」が、起こる原因もさまざまで、ケガや感染症によって炎症が起こることもありますし、自己免疫性疾患といって正常な細胞を攻撃してしまうことが原因の場合もあります。
また、国の難病にも指定されている病気(ベーチェット病、サルコイドーシスなど)によって、「ぶどう膜炎」が起こることもあります。