クロイツフェルト・ヤコブ病について

1. クロイツフェルト・ヤコブ病とは

クロイツフェルト・ヤコブ病とは、脳に異常な蛋白質(プリオン蛋白)が蓄積し脳神経細胞の機能が障害され、脳に海綿状の変化が出現するプリオン病と呼ばれる疾患群の中の代表的なものです。

プリオン病には、このクロイツフェルト・ヤコブ病のほかにゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群と致死性家族性不眠症があります。

2. この病気の原因はわかっているのですか

この病気の原因は、プリオンと呼ばれる感染因子でその本体は異常なプリオン蛋白であ ると考えられています。どのような機序で感染 し発症するのか分かっておりません。特殊なものとして、この病気でなくなった患者さんの角膜や脳硬膜を移植された人で発症した例や、牛海綿状脳症(BSE “狂牛病”)がヒトに感染した疑いのある例(変異型CJD)が知られています。

3. この病気ではどのような症状がおきますか

行動異常、性格変化や認知症、視覚異常、歩行障害などで発症します。数カ月以内に認知症が急速に進行し、ミオクローヌスと呼ばれるけいれん発作が起こります。発病より半年以内に自発運動はほとんどなくなり寝たきりの状態となります。

障害年金を受給する為の要件

(1)初診日要件

「クロイツフェルト・ヤコブ病」の症状から、初めて病院で診察を受けた日を「初診日」といいます。

例えば、「クロイツフェルト・ヤコブ病」の症状から病院で診察を受けたけど、原因不明で病院を転々とするケースがあったとします。「クロイツフェルト・ヤコブ病」と「診断をした医療機関の初診日」ではなく、原因不明だけど転々としたけど「最初に行った医療機関の初診日」が、障害年金上の「初診日」となりますのでご注意下さい。

(2)保険料納付要件

この保険料納付要件が満たしていないと、障害年金を受給することはできませんので大変重要な要件です。

この「保険料納付要件」を満たしているかどうかを判断する為には、上記(1)初診日がないと判断ができません。ですので、まずは「初診日」を確認をしてから「保険料納付要件」を確認するようにして下さい。

「保険料納付要件」とは、初診日の前日に、その初診日のある月の、前々月までの期間の3分の2以上が、次のいずれかの条件に当てはまっている必要があります。

・保険料を納めた期間(会社員や公務員の配偶者だった期間も含む)
・保険料を免除されていた期間
・学生納付特例又は若年者納付猶予の対象期間

簡単にいうと、初診日までの被保険者であった期間のうち、3分の1を超える期間の保険料が違法に滞納されていなければ大丈夫です。
実際に保険料を納めていた期間だけでなく、正式に保険料が免除されていた期間も、納めていたものとして扱われます。

また、上記の要件を満たしていなくても、令和8年3月31日以前に初診日がある場合は、初診日の前日に、その前々月までの1年間に保険料の違法な滞納がなければ要件を満たすことができます。

なお、20歳前に「クロイツフェルト・ヤコブ病」の初診日がある場合は、この保険料納付要件を不要となりますのでご安心下さい。

(3)障害認定日要件

障害年金を受けられるかどうかは、上記(1)初診日要件と(2)保険料納付要件を満たす他に、障害認定日(初診日から1年6か月が経過した日)以降に一定以上の「クロイツフェルト・ヤコブ病」の症状であることが必要です。

但しが発症して半年程で寝たきりの状態となり得る為、その場合は主治医より症状が固定してしまったという判断があれば、初診日から障害認定日を待たずに障害年金を申請できる可能性があります。

・「クロイツフェルト・ヤコブ病」の初診日から6ヶ月以上が経過し,全介助状態であると主治医が判断すれば,症状固定の判断される可能性があります。

症状固定判断の要件として,呼吸(人口呼吸器)あるいは栄養摂取(胃ろう)に関して一時的ではない措置が必要だが,経鼻栄養などの措置でもよい。

・障害年金制度上の初診日からカウントとして「初診日から6ヶ月」があれば良い。

 また、この障害認定日において「一定以上の発達障害の症状」については、日本年金機構が開示している「障害認定基準」を確認して下さい。

障害年金における「クロイツフェルト・ヤコブ病」の障害認定基準(抜粋)

クロイツフェルト・ヤコブ病」が発病すると、半年以内に寝たきりの状態となり得ることから、肢体障害についての障害認定基準について紹介します。

上肢の障害認定基準

1級 ・両上肢(左および右手両方の肩関節,ひじ関節及び手関節)のの機能に著しい障害を有する(用を全く廃した)もの
・両上肢のすべての指を欠くもの(両上肢のすべての指を基部から欠き、有効長が0のもの)
両上肢のすべての指の用を全く廃した(著しい障害を有する)もの
2級 ・両上肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの
・両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの(両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を基部から欠き、有効長が0のもの)
両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の用を全く廃した(著しい障害を有する)もの(両上肢のおや指の用を全く廃した程度の障害があり、それに加えて、両上肢のひとさし指又は中指の用を全く廃した程度の障害 があり、そのため両手とも指間に物をはさむことはできても、一指を他指に対立させて物をつまむことができない程度の障害)
・一上肢の用を全く廃したもの
・一上肢のすべての指を欠くもの(一上肢のすべての指を基部から欠き、有効長が0のもの)
・一上肢のすべての指の用を全く廃したもの
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 ・一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
・上腕骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
・橈骨及び尺骨の両方に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
・一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の3指以上を失ったもの
・おや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの
2関節の用を廃したもの
身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの)

※日常生活における動作は、おおむね次のとおりである。

(ア)さじで食事をする (イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける) (ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる) (エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる) (オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ) (カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

下肢の障害認定基準

1級 ・両下肢の3 大関節中それぞれ2 関節以上の関節が全く用を廃したもの ・両下肢を足関節以上で欠くもの
2級 ・両下肢のすべての指を欠くもの
・一下肢の3 大関節中いずれか2 関節以上の関節が全く用を廃したもの(※「関節の用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2 分の1 以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節))
・一下肢を足関節以上で欠くもの
・体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
3級 ・一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの ※「関節の用を廃したもの」…関節の他動可動域が健側の他動可動域の2 分の1 以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節)
・長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
・一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
・両下肢の10趾の用を廃したもの
・身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの(例えば、両下肢の3 大関節中それぞれ1 関節の筋力が半減しているもの等)

※日常生活における動作は、おおむね次のとおりである。  (ア) 片足で立つ  (イ) 歩く(屋内)  (ウ) 歩く(屋外)  (エ) 立ち上がる  (オ) 階段を上る  (カ) 階段を下りる

神経系統の障害

1、疼痛は、原則として認定の対象となりません。

四肢その他の神経の損傷によって生じたる灼熱痛、脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛、根性疼痛、悪性新生物に随伴する疼痛等は、疼痛発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚的所見等(本人ではなく医師や医療従事者が診た所見)により、次のように取り扱う。

 ア、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは、3級に認定される。

 イ、一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時に労働に従事することができなくなり、就労可能な職種範囲が相当な程度に制限されるものは、障害手当金として認定される。

2、神経系の障害により次のいずれかの状態を呈している場合は、原則として初診日から起算して1年6カ月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱います。

 ア、脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6カ月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められたとき。

 イ、現在の医学では、根本的治療方法が無い疾病であり、今後の回復が期待できず、初診日から6カ月経過した日以後において器官切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき。

3、肢体の障害の認定は、「肢体の障害」に示される認定要領に基づいて認定されます。

4、脳の器質障害については、神経障害と精神障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合し、全体像から総合的に判断して認定されます。

 

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