職場の作業中に左腕を手関節から切断してしまいました。業務上の事故なので、厚生年金保険の障害厚生年金のほか、労働基準法による障害補償を受ける権利も取得すると聞きましたが、両方とももらえるのでしょうか。
厚生年金保険の障害厚生年金は、業務上の事由による障害についても、業務外の事由による障害についても支給されます。業務上の事由による障害については、事業主により補償が行われる場合がありますが、このような場合には障害厚生年金との調整が図られることもあります。その一つが労働基準法による障害補償との調整です。すなわち、受給権者が障害厚生年金支給の事由となった傷病について、労働基準法第77条の規定による障害補償を受ける権利を取得したときは、障害厚生年金は6年間その支給が停止されることになっています。6年間支給を停止するのは、労働基準法の規定による障害補償が6年間分に相当するものとして支給されているからです。ご質問のケースでは、労働基準法による障害補償が受けられると思われますので、障害厚生年金は6年間支給停止されます。この場合、障害補償を受けずに障害厚生年金を選択するということはできません。支給停止期間の6年が過ぎれば、障害の程度に応じた障害厚生年金が支給されます。なお、あなたの場合は、「左腕を手関節から切断」ということですから、厚生年金保険の障害等級の2級に該当すると思われます。厚生年金保険の被保険者は同時に国民年金にも加入していますので、障害等級1級または2級に該当すれば、国民年金の障害基礎年金も受けられることになりますが、6年間支給停止の扱いは障害厚生年金と同様です。ただし、労働基準法第77条の特別法として労働者災害補償保険法がありますので、労働者災害補償保険法が優先適用されます。(障害給付Q&Aより)