検査・診断

肺高血圧症の診療では、胸部単純レントゲン写真、心電図、血液検査、心エコーなどが簡便な検査として行われます。

胸部単純レントゲン写真

右心房・右心室の拡大や、肺動脈の拡張が確認されます。

心電図検査

右心系への負荷を確認することができます。

血液検査

BNPと呼ばれる検査項目を通して心不全の状況を評価することが可能です。

心エコー検査

右心系への負荷をリアルタイムに評価することが可能です。

肺の血圧が上昇していることを実際の測定値として確認するためには、心臓カテーテル検査が必要となります。心臓カテーテル検査は、患者さんの体への負担がやや大きい検査です。

そのほかに必要に応じて、CT、MRI、核医学的検査(換気血流シンチグラフィー)、運動負荷検査などを行います。

治療

肺高血圧症の治療の主な目的は、肺の血管を拡張させることです。

さまざまな投与方法(注射や経口、吸入、皮下投与など)の治療薬があり、病状に応じて選択されます。具体的に使用される薬剤としてはエンドセリン受容体拮抗薬、PDE-5阻害薬、プロスタグランジンI2誘導薬などがあります。また利尿剤やカルシウム拮抗薬が使用されることもあります。

その他、在宅酸素療法を含めた酸素療法が適応になることもあります。また、肺移植も検討されることがあります。

血栓が原因となって肺高血圧症を発症している場合には血管拡張薬の効果は乏しいです。そのため、血栓を取り除くための処置(手術もしくはバルーン肺動脈形成術)がなされます。

膠原病やHIV、先天性心疾患などが原因となっている場合には、これら基礎疾患に対しての治療を行うことも重要です。

引用元:medicalnote 肺高血圧症