身体中に流れる血液に何かしらの異常が起こると身体のあらゆる部位、臓器に異常をきたし、場合によっては危険な状態に陥てしまう可能性もあります。今回は、そのような血液に関する病気の一つである 「本態性血小板血症」で「障害年金」を申請する為のポイントについて解説をします。ご興味がある方が是非ご覧ください。
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「本態性血小板血症」とは
1、「本態性血小板血症(ET)」は骨髄増殖性疾患の1つです。
主な症状は、
①血小板の増加による「血栓傾向」と
②減少による「出血傾向」 の2パターンがあります。
具体的な症状は
「本態性血小板血症(ET)」 の 具体的な身体的な症状としては,
①「血栓傾向」で血栓ができやすいため、血栓によって細い血管で血を塞ぎ、血行を悪化させることで、筋力の低下、頭痛、めまい、耳鳴り、視覚の異常や目の痛み、手足末端の痛みなど。
更に血小板数が増えて大きな血栓ができやすくなると脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症など命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性も出てきます。
②血小板数は150万/μl(正常値:14.0~37.9万/μl)を越えると、血小板が出血を止めるのに必要な物質を吸着するようになるため、かえって出血が起こりやすくなる(出血傾向)。
出血の程度は鼻血が出たり青あざなどができやすくなったりします。重症な場合には消化管出血や脳出血などを引き起こすこともあります。
脾腫(ひしゅ:脾臓(ひぞう)が腫れて大きくなっている状態),および指の虚血(血液が供給されていない状態)を伴う肢端紅痛症(皮膚の細動脈の拡張によって、焼けつくような痛みや熱感を引き起こす。足や手が赤くなる。)がみられることがある。
また、この病気自体は比較的予後はよいとされていますが、まれに骨髄異形成症候群や急性白血病などが進行することもあるため注意が必要です。

3、血小板は、血液の凝固する助けをしますが、血液凝固で使用されなかった血小板は、血液中を7日から10日を循環した後に壊れます。約3分の1は脾臓に蓄えられている。
5、一般的には血小板数が150万/uL以上になると、止血機構に異常をきたし、出血しやすい状態となる。但し、海外の報告では、 血小板数が100 万/ μ L 以下でも止血機構に異常をきたす場合があり、止血および凝固調節に関わる検査項目の測定が望ましいとされています。
「本態性血小板血症による障害認定基準
一般的な『血液・造血器疾患による障害認定基準』はこちらをご覧ください。
1,「本態性血小板血症」で「脳梗塞」の場合
「脳梗塞」の後遺症として考えられるのは、「運動麻痺」、「構音障害」、「嚥下障害」ではないでしょうか。他にも後遺症として考えられるものがあるかもしれませんが、ここでは「運動麻痺」、「構音障害」、「嚥下障害」についての障害認定基準について説明します。
(1)「運動麻痺」による障害認定基準
上肢の障害認定基準
1級 | ・両上肢(左および右手両方の肩関節,ひじ関節及び手関節)のの機能に著しい障害を有する(用を全く廃した)もの ・両上肢のすべての指を欠くもの(両上肢のすべての指を基部から欠き、有効長が0のもの) ・両上肢のすべての指の用を全く廃した(著しい障害を有する)もの |
2級 | ・両上肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの ・両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの(両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を基部から欠き、有効長が0のもの) ・両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の用を全く廃した(著しい障害を有する)もの(両上肢のおや指の用を全く廃した程度の障害があり、それに加えて、両上肢のひとさし指又は中指の用を全く廃した程度の障害 があり、そのため両手とも指間に物をはさむことはできても、一指を他指に対立させて物をつまむことができない程度の障害) ・一上肢の用を全く廃したもの ・一上肢のすべての指を欠くもの(一上肢のすべての指を基部から欠き、有効長が0のもの) ・一上肢のすべての指の用を全く廃したもの ・身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | ・一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの ・上腕骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの ・橈骨及び尺骨の両方に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの ・一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の3指以上を失ったもの ・おや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの ・2関節の用を廃したもの ・身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの) |
※日常生活における動作は、おおむね次のとおりである。
(ア)さじで食事をする (イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける) (ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる) (エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる) (オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ) (カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
下肢の障害認定基準
1級 | ・両下肢の3 大関節中それぞれ2 関節以上の関節が全く用を廃したもの ・両下肢を足関節以上で欠くもの |
2級 | ・両下肢のすべての指を欠くもの ・一下肢の3 大関節中いずれか2 関節以上の関節が全く用を廃したもの(※「関節の用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2 分の1 以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節)) ・一下肢を足関節以上で欠くもの ・体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの |
3級 | ・一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの ※「関節の用を廃したもの」…関節の他動可動域が健側の他動可動域の2 分の1 以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節) ・長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの ・一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの ・両下肢の10趾の用を廃したもの ・身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの(例えば、両下肢の3 大関節中それぞれ1 関節の筋力が半減しているもの等) |
※日常生活における動作は、おおむね次のとおりである。 (ア) 片足で立つ (イ) 歩く(屋内) (ウ) 歩く(屋外) (エ) 立ち上がる (オ) 階段を上る (カ) 階段を下りる
(2)「構音障害」「嚥下障害」による障害認定基準
・そしゃく・嚥下機能の障害の程度は、摂取できる食物の内容、摂取方法によって区分され、関与する器官、臓器の形態・機能、栄養状態等も十分考慮して総合的に認定されます。
・歯の障害による場合は、補綴等の治療を行った結果により認定されます。
・食道の狭窄、舌、口腔、咽頭の異常等によって生じる嚥下の障害については、そしゃく機能の障害に準じて、摂取し得る食物の内容によって認定されます。
・ そしゃく機能の障害と嚥下機能の障害は、併合認定されません。
そしゃく・「嚥下障害」の障害年金認定基準
1級 | ・そしゃく・嚥下障害で1級に該当するものは原則ありません。 |
2級 | ・流動食以外は摂取できないもの、経口的に食物を摂取することができないもの、および、経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの。 (食事が口からこぼれ出るため常に手、器物などでそれを防がなければならないもの、または一日の大半を食事に費やさなければならない程度のものをいう) |
3級 | ・経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ栄養の併用が必要なもの、または全粥または軟菜以外は摂取できない程度のもの。 |
障害手当金 | ・ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のもの |
言語障害の障害年金認定基準
言語障害は、次の二つがあります。
1)「構音障害」~唇、顎、舌、鼻から等の声を出す為の器官のいずれかに異常が起こり正しい発音が出来ない。
2)「失語症」~脳の異常により言葉をうまく使うことが出来ない。
1級 | ・言語障害で1級に該当するものは原則ありません。 |
2級 | ・音声または言語を喪失するか、または音声もしくは言語機能の障害のため意思を伝達するために身ぶりや書字などの補助動作を必要とするもの。 ・4種の語音のうち3種以上が発音不能または極めて不明瞭なため、日常会話が誰が聞いても理解できないもの。 ・喉頭全摘出手術を施した結果、言語機能を喪失したもの。 |
3級 | ・4種の語音のうち2種が発音不能または極めて不明瞭なため日常会話が家族は理解できるが、他人は理解できない程度のもの。 |
障害手当金 | ・4種の語音のうち、1種が発音不能又は極めて不明瞭なため、電話による会話が家族は理解できるが、他人は理解できない程度のものをいう。 |
2,「本態性血小板血症」で「心筋梗塞」の場合
「本態性血小板血症」 で血栓傾向があると「心筋梗塞」を発症する可能性があります。
「心筋梗塞」を発症し救急車で病院に搬送されても、到着前亡くなられることもあり、死亡率は約30%程度(冠動脈疾患集中治療室(CCU)を持つ病院では死亡率が5~10%)とも。
最近は、カテーテル治療によって、1週間以内に退院可能で生活に大きな影響はない方もいらっしゃいますが、場合によっては、心臓細胞の壊死が広い範囲であるケースだと合併症を発症するリスクがあるそうです。
「心筋梗塞」による合併症として考えらえるのが「心不全」と「不整脈」です。 他にも後遺症として考えられるものがあるかもしれませんが、ここでは「心不全」、「不整脈」についての障害認定基準について説明します。
(1)「心不全」による障害認定基準
「心不全」は、一般的には「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こる病気」です。
心筋疾患の障害認定基準
1級 | ・病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類Ⅳ)を有し、かつ、2Mets未満に該当するもの |
2級 | ・異常検査所見の左室駆出率(EF)40%以下かつ、病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、2~4Metsに該当するもの かつ、下記(1)または(2)に該当するもの。 (1)歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの (2)身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中 の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
3級 | ・EF値が50%以下を示し、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、かつ、一般状態区分表の3~6Metsに該当するもの 異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち1 つ以上の所見、かつ、病 状をあらわす臨床所見が2 つ以上あり、かつ、下記(1)または(2)に該当するもの。 (1)軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業は できるもの 例えば、軽い家事、事務など (2)歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
※臨床所見(診断書では「無」・「有」) 自覚症状 呼吸困難 , 動悸,息切れ,胸痛,咳,痰,失神、他覚所見 チアノーゼ,浮腫,頸静脈怒張,ばち状指,尿量減少,器質的雑音
(2)「不整脈」による障害認定基準
「不整脈」とは、脈が不規則に打つ状態のこと。※脈が1分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈という。
難治性不整脈の障害認定基準
1級 | ・病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA心機能分類Ⅳ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | ・異常検査所見のEがあり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの・異常検査所見のA,B、C、D、F、Gのうち2つ以上の所見及び病状をあらわす臨時所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの |
3級 | ・ペースメーカー、ICDを装着したもの・異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち1つ以上の所見及び病状をあらわす臨時所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの |
※ 難治性不整脈とは、放置すると心不全や突然死を引き起こす危険性の高い不整脈で、適切な治療を受けているにも拘わらず、それが改善しないものをいう。
※ 心房細動は、一般に加齢とともに漸増する不整脈であり、それのみでは認定の対象となりませんが、心不全を合併したり、ペースメーカーの装着を要する場合にには認定の対象となります。
3,「本態性血小板血症」で 「肺塞栓症(はいそくせんしょう):PE」 の場合
「肺塞栓症」は、「本態性血小板血症」の血栓傾向にあると尚更、血栓が肺の動脈(肺動脈)を塞いでしまう(塞栓)病気です。別名「エコノミークラス症候群」。
「肺塞栓症」 が発症すると、今まで何ともなかったのに咳や胸の痛み、呼吸困難などで、 「肺塞栓症」 の独特な症状がない為、喘息などと誤診されやすいそうです。但し、注意すべき点は 「肺塞栓症」 は、場合によって突然死に至るケースがあることです。
「肺塞栓症」の方の30%程は、治療後もそのまま改善されることはなく、血栓や自覚症状が残り、心機能の低下がみられるそうです。そして、治療をそれなりの期間を受けていたとしても死亡率が下がることはなく、逆に死亡率は上がっているとのこと。「肺塞栓後症候群」と呼ばれています。
「肺塞栓症」は 、突然、健康な人がこの病気になるではなく、手術後の入院で寝たきり時間が長い人や、がん(悪性腫瘍)の治療中の方が発症する病気のようです。
「肺塞栓症」(心機能の低下)に関する障害認定基準
「肺塞栓症」独特の症状がありませんが、心機能の低下となるので、ここでは心機能低下による障害認定基準について紹介します。
(1)動脈血液ガス分析
血液中に有る酸素や二酸化炭素の量を調べる検査
区分 | 検査項目 | 単位 | 軽度異常 | 中等度異常 | 高度異常 |
1 | 動脈血O2分圧 | Torr | 70~61 | 60~56 | 55以上 |
2 | 動脈血CO2分圧 | Torr | 46~50 | 51~59 | 60以上 |
(6)その他の心電図、エコー検査
区分 | 異常検査所見 |
A | 安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは 0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの |
B | 負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの |
C | 胸部X線上で心胸郭係数 60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの |
D | 心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの |
E | 心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの |
F | 左室駆出率(EF)40%以下のもの |
G | BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200pg/ml 相当を超えるもの |
H | 重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に 50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に 75%以上の狭窄を認めるもの |
I | 心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの |
(7)血液検査
・D-dimer値の確認。
区分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
※畑尾大翔 氏:ツエーゲン金沢(2024年現在)は、大学時代に「慢性肺血栓塞栓症」に発症後にJリーガーになったそうです。
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