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ヘモグロビンについて解説します
1,ヘモグロビンとは
人間の血液中に含まれているタンパク質の1種。主に鉄を含む「ヘム」とタンパク質でできている「グロビン」からできている。
このうち、「ヘム」は酸素と結びつく力が強く、全身に酸素をいきわたらせる大切な役割を担っている。
基準値
成人男性の場合、血液1dl中に13.0~16.6g
成人女性の場合、血液1dl中に11.4~14.6g
(1)ヘモグロビンが低い場合に疑われる「貧血」 ヘモグロビンが低い場合貧血と判断されます。 貧血とは何らかの原因で、赤血球に含まれるヘモグロビンの量が減っている状態を指します。 ヘモグロビンが少ない場合、細胞に酸素が行き渡りにくくなるため、頭痛や疲労感、めまい、息切れなどの症状が表れます。
(2)貧血の種類 貧血にはいくつかの種類があります。 ①鉄欠乏性貧血~最も多いタイプの貧血です。鉄の摂取量の不足や過剰な鉄の損失、鉄の吸収阻害などが原因で鉄が不足することによって、ヘモグロビンが合成できず、貧血となります。若い女性に多い傾向があります。 ②再生不良性貧血~血液は骨髄で作られますが、骨髄で血液を作る機能が低下することにより血液内の赤血球や白血球、血小板が減少する病気です。 ③巨赤芽球性貧血~ビタミンB12または葉酸が欠乏することで、赤血球の元となる赤芽球の合成が阻害され、赤芽球が巨大化する病気で、赤血球が作られないためそれが原因となり貧血を起こします。血の中でも、胃壁細胞で作られる内因子が不足することによってビタミンB12の吸収が低下し、貧血となる状態を悪性貧血といいます。 ④腎性貧血~腎障害によって、赤血球の生産に関わるエリスロポエチンが作られなくなることで生じる貧血です。慢性腎不全や急性腎不全、ネフローゼ症候群などの腎疾患が原因となります。 ⑤溶血性貧血~赤血球の寿命は120日程度ですが、120日よりも早く赤血球を包む膜が破れ、血液内にヘモグロビンなどの成分が流れ出してしまうことを溶血といいます。溶血性貧血は、免疫異常や遺伝などが原因で起こりますが、衝撃が過度にかかるスポーツをしている人に起きるケースもあります。 ⑥二次貧血~血液の病気以外の腎不全や膠原病、悪性腫瘍、内分泌疾患などが原因で発症する貧血です。二次貧血は高齢者に多く発症します。
(3)貧血の症状 貧血の場合、酸素を運搬するヘモグロビンが低下するため、酸素が行き渡らず、全身が酸素不足の状態となります。そのため、貧血になると強い次のような症状が表れます。 ●立ちくらみ ● ふらつき ● 息切れ ● めまい ● 頭痛 ● 動悸 ● 全身の倦怠感 ●強い疲労感
ヘモグロビン値が低い場合に起きる「貧血」の症状と治療法:myメディカルクリニック
2,障害認定基準について
(1)血液・造血疾患の障害認定基準
再生不良性貧血は、骨髄の血液生成機能低下により、赤血球・白血球・血小板が減少する疾患です。
この病気による障害認定は、自覚症状や検査成績、日常生活の状況を総合的に評価し、1級から3級に区分されます。1級は日常生活が完全に不可能な状態、2級は著しい制限を伴う状態、3級は労働が制限される状態です。主要症状には顔面蒼白、動悸、出血傾向、骨痛、感染症などがあり、検査項目には血液検査や骨髄生検、遺伝子分析などが含まれます。等級判定は血液数値や骨髄像の異常度に基づきます。
各等級に相当する症状を一部例示すると次のとおりです。
1級 | A表Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、かつ、B表Ⅰ欄に掲げる1から4までのうち、3つ以上に該当するもの(ただし、溶血性貧血の場合は、A表Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表Ⅰ欄の1に該当するもの)で、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | A表Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、かつ、B表Ⅱ欄に掲げる1から4までのうち、3つ以上に該当するもの(ただし、溶血性貧血の場合は、A表Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表Ⅱ欄の1に該当するもの)で、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの |
3級 | A表Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、かつ、B表Ⅲ欄に掲げる1から4までのうち、3つ以上に該当するもの(ただし、溶血性貧血の場合は、A表Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表Ⅲ欄の1に該当するもの)で、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの |
A表
Ⅰ | 1 治療により貧血改善はやや認められるが、なお高度の貧血、出血傾向、易感染症を示すもの 2 輸血をひんぱんに必要とするもの |
Ⅱ | 1 治療により貧血改善はやや認められるが、なお中度の貧血、出血傾向、易感染症を示すもの 2 輸血を時々必要とするもの |
Ⅲ | 1 治療により貧血改善は少し認められるが、なお軽度の貧血、出血傾向、易感染症を示すもの 2 輸血を必要に応じて行うもの |
B表
Ⅰ | 1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの (1) ヘモグロビン濃度が7.0g/dl未満のもの (2) 赤血球数が200万/μl未満のもの 2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの (1) 白血球数が1,000/μl未満のもの (2) 顆粒球数が500/μl未満のもの 3 末梢血液中の血小板数が2万/μl未満のもの 4 骨髄像で、次のいずれかに該当するもの (1) 有核細胞が2万/μl未満のもの (2) 巨核球数が15/μl未満のもの (3) リンパ球が60%以上のも (4) 赤芽球が5%未満のもの |
Ⅱ | 1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの (1) ヘモグロビン濃度が7.0g/dl以上9.0g/dl未満のもの (2) 赤血球数が200万/μl以上300万/μl未満のもの 2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの (1) 白血球数が1,000/μl以上2,000/μl未満のもの (2) 顆粒球数が500/μl以上1,000/μl未満のもの 3 末梢血液中の血小板数が2万/μl以上5万/μl未満のもの 4 骨髄像で、次のいずれかに該当するもの (1) 有核細胞が2万/μl以上5万/μl未満のもの (2) 巨核球数が15/μl以上30/μl未満のもの (3) リンパ球が40%以上60%未満のもの (4) 赤芽球が5%以上10%未満のもの |
Ⅲ | 1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの (1) ヘモグロビン濃度が9.0g/dl以上10.0g/dl未満のもの, (2) 赤血球数が300万/μl以上350万/μl未満のもの 2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの (1) 白血球数が2,000/μl以上4,000/μl未満のもの (2) 顆粒球数が1,000/μl以上2,000/μl未満のもの 3 末梢血液中の血小板数が5万/μl以上10万/μl未満のもの 4 骨髄像で、次のいずれかに該当するもの (1) 有核細胞が5万/μl以上10万/μl未満のもの (2) 巨核球数が30/μl以上50/μl未満のもの (3) リンパ球が20%以上40%未満のもの (4) 赤芽球が10%以上15%未満のもの |
(2)腎疾患の障害認定基準
腎臓の傷病のときの注意点としては、以下の2つがあります。
(1)腎疾患障害は、自覚症状・他覚所見・検査成績・一般状態・治療及び病状の経過・人工透析療法の実施状況・具体的な日常生活状況などを総合的に評価して障害認定されます
(2)腎疾患により人工透析療法施行中のものは、原則2級該当ですが、その腎疾患の主要症状や検査成績などによっては1級該当となる場合もあります。
腎臓の疾患は、その原因疾患が多岐にわたり、それによって生じる臨床所見、検査所見も、また様々なので、下記のの検査成績による他に、合併症の有無とその程度、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考資料として扱われ、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して総合的に認定されます。
1級 | 【 慢性腎不全 】 ①「内因性クレアチニンクリアランス(Ccr)値が10ml/分未満」、 ②「血清クレアチニン濃度(Cr.)が8mg/dl以上」 【 ネフローゼ症候群】 ③「1日尿蛋白量 が3.5g/日(以上)」を持続して、 『 血清アルブミン(ALB)3.0g/dl(デシリットル)以下 』又は『 血清総蛋白(TP)6.0g/dl以下 』で、 且つ一般状態が、身のまわりのことが出来ず、 常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲が概ねベッド周辺に限られるもの |
2級 | 【 慢性腎不全 】 ①「内因性クレアチニンクリアランス値が10ml/分以上20ml/分未満」、 ②「血清クレアチニン濃度が5mg/dl以 上8mg/dl未満」、 【 ネフローゼ症候群 】 ③「1日尿蛋白量が3.5g/日(以上)」を持続して、 『 血清アルブミンが3.0g/dl以下 』又は『 血清総蛋白6.0g/dl以下 』で、 且つ一般状 態が、次に掲げる状態のいずれかに該当するもの (1)身のまわりのある程度のことは出来るが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出などがほぼ不可能となったもの (2)歩行や身のまわりのことは出来るが、時に少し介助が必要で、軽労働は出来ないが、日中の50%以上は起居しているもの |
3級 | 【 慢性腎不全 】 ①「内因性クレアチニンクリアランス値が20ml/分以上30ml/分未満」、 ②「血清クレアチニン濃度が3mg/dl以 上5mg/dl未満」、 【 ネフローゼ症候群 】 ③「1日尿蛋白量が3.5g/日(以上)」を持続して、 『 血清アルブミンが3.0g/dl以下 』又は『 血清総蛋白6.0g/dl以下 』で、 且つ一般状 態が、次に掲げる状態のいずれかに該当するもの (1)歩行や身のまわりのことは出来るが、時に少し介助が必要で、軽労働は出来ないが、日中の50%以上は起居しているもの (2)軽度の症状が有り、肉体労働は制限を受けるが、歩行・軽労働・軽い家事・事務などは出来るもの |
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障害年金は、傷病や障害により労働や生活に支障をきたす方への支援制度で、老齢年金と同じ仕組みで運営されています。遠慮せず申請が推奨されます。また、所得保障には傷病手当金や生活保護、失業保険など複数の制度があり、それぞれ条件や手続きが異なります。特に傷病手当金は迅速な支給が特徴で、障害年金の受給までのつなぎ役となります。ただし、各制度は支給調整が行われ、重複支給は避けられます。申請時の注意点やサポートの必要性も重要です。
障害年金の受給金額は、利用する年金制度と障害等級によって異なります。受給金額を確認するには、自身が利用できる制度と障害等級を把握する必要があります。障害等級は1級が最重度で、日常生活で他人の介助が必要な状態、2級は日常生活が著しく制限される状態、3級は労働に制限がある状態を指します。障害基礎年金は定額です。障害厚生年金は報酬比例で計算され、配偶者加給年金などが加算される場合もあります。申請手続きや認定基準の確認は重要です。
障害年金の請求には、以下の4つの書類が主に必要です。
①診断書: 障害内容に応じた8種類があり、詳細な治療経過や生活状況を記載。申請成功の鍵となるため、主治医と協力して作成します。
②病歴・就労状況等申立書: 発病から現在までの病状や生活状況を具体的に記載する重要書類。診断書との整合性が求められます。
③受診状況等証明書: 初診時の医療機関が診断書作成機関と異なる場合に必要。取得困難な場合は理由書を提出します。
④年金請求書: 基礎年金番号やマイナンバーを用いて提出。申請内容に応じて配偶者情報などを記載します。
これらを整え、慎重に申請を進めましょう。
障害年金は、老齢年金と同じ公的年金制度の一部で、障害を負った場合に支給される権利です。受給には「初診日」の特定、保険料納付要件、認定日以降の障害状態の3条件が必要です。障害年金には基礎年金、厚生年金、共済年金の3種類があり、障害等級や加入制度によって支給額が異なります。申請には診断書や病歴申立書などの書類が必須で、認定基準に基づいた正確な作成が求められます。初診日や請求方法の選択も重要で、専門家の支援が推奨されます。
札幌障害年金相談センターでは、正確な障害年金申請を目指し、診断書と病歴・就労状況等申立書の作成を支援しています。診断書は主治医が作成しますが、短い診察時間や患者の生活状況の不十分な把握が問題となることがあります。一方、申立書では感情的な記述や出来事の羅列が障害認定基準に適合しないことが課題です。これらの問題を解決するため、障害認定基準を理解し、必要に応じて書類内容を主治医と相談しながら適切に修正する努力が重要です。
障害年金は、肢体障害や視覚障害など外見で分かるものだけでなく、多様な傷病が対象です。対象疾患には、白内障や緑内障などの視覚障害、感音性難聴などの聴覚障害、脳卒中や脳梗塞などの脳疾患、統合失調症や発達障害などの精神疾患、心筋梗塞や高血圧症、腎不全や糖尿病性合併症などが含まれます。ただし、症状や傷病名によって対象外となる場合もあります。判断が難しい場合は札幌障害年金相談センターにお気軽にご相談下さい。
障害年金の申請には診断書が必要ですが、実際の症状より軽く記載されることがあり、申請者から不満の声が寄せられます。その原因として、医師が日常生活の実態を把握できない、申請者が正確に伝えられない、または医師が申請者の立場を考慮していないことが挙げられます。この結果、年金額が減額されたり受給できない場合があります。当センターでは、こうした問題を防ぐため、札幌障害年金相談センターは適切な申請を支援しています。
障害年金は、日本の2階建て年金制度に基づき、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金の3種類に分かれます。障害基礎年金は全員が対象で、1級と2級の等級があり、国民年金加入者に支給されます。厚生年金加入者は障害厚生年金を受け取る権利があり、1~3級の等級が設定されています。共済組合加入者には障害共済年金が適用され、職域年金部分が追加されるのが特徴です。初診日の時点での年金加入状況により、受給対象や申請先が異なります。
障害年金を受給するには、障害が行政の定める認定基準に適合していることを証明する必要があります。そのため、診断書は最も重要な書類であり、適切な内容が記載されるよう担当医と十分に話し合うことが大切です。特に初診日の特定が困難な場合や過去の初診日で手続きが複雑になるケースでは、専門家に相談することで解決の可能性が高まります。当事務所では診断書のチェックや医師への依頼時のアドバイスを提供しています。
障害年金を受給するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 初診日要件: 障害の原因となる病気やケガの初診日が年金加入期間内であること。初診日が特定できない場合は受給が難しくなるため重要です。
- 保険料納付要件: 初診日の前日までの期間で、3分の2以上が保険料納付または免除期間であること。未納が多いと受給資格を失うため、学生時代の免除申請が推奨されます。
- 障害認定日要件: 初診日から1年6か月後または症状が固定した時点で一定の障害状態であることが必要。遅れた請求でも最大5年遡及可能です。
障害年金の受給可否は、申請書が提出されると行政が「加入要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」を確認することで判断されます。年金事務所や市区町村がまず資格を審査し、その後、日本年金機構の障害年金センターで認定医が障害等級を基準に審査します。審査は書類内容を基に客観的に行われ、3か月程度かかるのが一般的です。支給が決定すると通知が届き、住所や振込先変更時は手続きが必要です。初回支払日は決定日によって異なります。
障害年金の請求手続きは、以下の流れで進められます。まず、電話やメールで相談予約を行い、面談で病気や生活状況を詳しくヒアリングします。その後、初診日や保険料納付要件を確認し、診断書や病歴・就労状況等申立書など必要書類を作成。診断書の記載内容は医師と確認し、必要に応じて修正依頼を行います。完成した書類を年金事務所に提出し、審査には約3か月かかります。支給決定後、初回振込は40~50日後に行われます。
障害年金請求では、初診日時点の年金加入状況が重要です。初診日に年金未加入の場合、請求はできません。また、加入していた年金制度により受給できる年金の種類が異なり、国民年金加入者は障害基礎年金(1級または2級対象)、厚生年金加入者は障害厚生年金(1~3級対象)を受給可能です。障害認定日請求では最大5年遡及可能ですが、事後重症請求では請求日以降の受給のみです。適切な手続きが受給額に影響するため、専門家への相談が推奨されます。
特別障害者手当は、20歳以上で重度の障害があり、日常生活に特別な介護が必要な在宅障害者に支給される手当で、月額26,260円(平成25年時点)です。施設入所や長期入院がなく、所得基準を満たすことが条件です。対象者は複数の重い障害を持つ人や、日常生活に大きな支障がある人が含まれます。申請には、障害者手帳の所持が必須で、書類を市区町村役場に提出します。受給後も現況届や診断書の再提出が必要です。