「障害年金」の申請の際に必須書類である「診断書」。この診断書には主治医が、ご本人が抱える「心理的発達の障害」がどの分類なのかを明記している箇所があります。ご存知だったでしょうか。障害の特性を知る上でも、また「障害年金」を申請する際には貴重な情報となります障害年金の申請の際には必ず確認をするようにしましょう。

F80-F89心理的発達の障害

1F80会話及び言語の特異的発達障害 (13)
2F81学習能力の特異的発達障害 (13)
3F82運動機能の特異的発達障害 (7)
4F83混合性特異的発達障害 (1)
5F84広汎性発達障害 (21)
6F88その他の心理的発達障害 (2)
7F89詳細不明の心理的発達障害 (2)

概要

発達障害とは、生まれつきの脳の障害のために言葉の発達が遅い、対人関係をうまく築くことができない、特定分野の勉学が極端に苦手、落ち着きがない、集団生活が苦手、といった症状が現れる精神障害の総称です。

症状の現れ方は発達障害のタイプによって大きく異なり、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害、などさまざまな障害が含まれます。幼少期または学童期から症状が現れますが“変わり者”“怠け者”という誤った認識がなされ、見過ごされているケースも多いと考えられています。社会人になってから、不注意やミスが多いといった症状が目立つようになり初めて診断が下されるケースも少なくありません。

発達障害による症状は薬物療法などである程度抑えることができるものもありますが、根本的な治療法はない症状が多いのが現状です。発達障害を抱える当事者はさまざまな場面で「生きにくさ」を感じているとされており、将来的に症状とうまく付き合いながら日常生活を送っていくには早期の段階で生活訓練などの療育を始めることがすすめられています。

原因

発達障害の原因は、生まれつきの脳の機能障害と考えられていますが、明確な発症メカニズムは解明されていません。また、脳の障害以外にも、遺伝や胎児期の感染症、農薬への暴露などが発症に関与しているとの説もあります。

症状

発達障害の症状は障害のタイプによって大きく異なります。発達障害の中でも発症率が高いとされる自閉症スペクトラム障害は、幼児期から他者とのコミュニケーションが極端に苦手、こだわりが強い、融通が利かない、といった症状が見られます。

一方、注意欠陥・多動性障害は7歳頃までに、注意力が極端に散漫であり、衝動性の高い行動が見られるようになります。集団生活の場では、授業中に椅子に座っていることができずに歩き回るといった行動が見られ、学業や集団行動に支障をきたすようになることも少なくありません。

学習障害は、知的水準自体は低くないものの、読む・書く・計算などの特定の分野の学習能力が極端に低いのが特徴です。

いずれのタイプの発達障害も幼少期や学童期に症状が現れ始めます。特に、幼稚園や小学校などの集団生活を開始すると症状がより顕著になります。小学校低学年の頃から学業成績の低下や周囲との軋轢あつれきなどによって意欲や自信が低下するケースも少なくありません。

一方で、障害のタイプや重症度によっては成長するとともに症状が目立ちにくくなることもあります。しかし、単純なミスや不注意を起こしやすいことなどで社会人になってから生きにくさを強く実感し、二次的に不安症状やうつ症状などの精神的な変調を併発することもあります。

引用元:発達障害

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