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糖尿病・高血圧症の障害
【 代謝疾患 】 による障害の程度 は、①合併症の有無及びその程度、②代謝のコントロール状態、③治療及び症状の経過④具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定する。
1級:当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、 長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程 度のもの。
2級:日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加え ることを必要とする程度のもの。
3級:労働が制限を受けるか又は労働に制限 を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するもの。
認定要領
(1)代謝疾患は、糖代謝、脂質代謝、蛋白代謝、尿酸代謝、その他の代謝の異常に分け られる。代表例:糖尿病
(2)糖尿病とは、その原因のいかんを問わず、インスリンの作用不足に基づく糖質、脂質、タンパク質の代謝異常によるもの。
糖尿病患者の血糖コントロールの困難な状態が長年にわたると、糖尿病性網膜症、 糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性壊疽等の慢性合併症が発症、進展するこ ととなる。
【 糖尿病の認定 】は、血糖のコントロール状態そのものの認定もあるが、多くは糖尿病合併症に対する認定である。
糖尿病で多いのが高血糖
※高血糖は、体の臓器や組織で、細胞がたえず血糖(血液中のブドウ糖)を取込み、そしてエネルギーに換える活動をしているが、その取込み作業をするには「インスリン」が不可欠で、「インスリン」の作用が不足することで血糖が取り込まれなかった分が、血糖値が高い状態となってしまう状態のこと。
(3)糖尿病による障害の程度は、合併症の有無及びその程度、代謝のコントロール状態、 治療及び症状の経過、具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定されます。
(4)糖尿病については、必要なインスリン治療を行ってもなお血糖のコントロールが困難 なもので、次のいずれかに該当するものを3級と認定する。
ただし、検査日より前に 90 日以上継続して必要なインスリン治療を行っていることについて、確認のできた者に限り、認定が行われます。
なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に 認定される場合があります。
ア、「内因性のインスリン」分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値 が 0.3ng/mL 未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
イ、 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月 1 回以上ある もので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
ウ、インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による 入院が年 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
糖尿病(代謝疾患等)による障害認定基準
血糖が治療、一般生活状態の規制によりコントロールされている場合には認定の対象となりませんが、合併症の程度により認定の対象となります。
1級 |
代謝疾患による障害の程度は、合併症の有無及びその程度、代謝のコントロール状態、治療及び症状の経過、具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定される。 ※当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。 |
2級 |
代謝疾患による障害の程度は、合併症の有無及びその程度、代謝のコントロール状態、治療及び症状の経過、具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定される。 ※日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加え ることを必要とする程度のもの。 |
3級 |
1、検査日より前に、90日以上継続して必要なインスリン治療を行っていること。 2、次のいずれかに該当すること (1)内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/ml未満を示すもの (2)意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるもの (3)インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あるもの 3、一般状態区分表のイまたはウに該当すること |
合併症については、以下のようになものがあり、詳細については、お問い合わせください。
・糖尿病性網膜症
・糖尿病性腎症
・糖尿病性神経障害により激痛、著明な知覚の障害、重度の自律神経症状等があるもの
・糖尿病性動脈閉塞症
2「検査成績」欄:ヘモグロビンA1C(HbA1C)
HBa1c値(NGSP値) | 値に対する評価 |
5.6%未満 | ふだんの血糖値が正常範囲内の人 |
5.6~5.9% | 時々血糖値が高めの人(某大手企業では会社健診でこの数値が出ると呼び出され生活指導となります)(境界型糖尿病) |
6.0~6.4% | 糖尿病予備軍(境界型糖尿病)、心筋梗塞や脳梗塞などのリスク(危険)が血糖値が正常の人より2倍以上高くなる状態 |
6.5%以上 | 糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞などのリスク(危険)が血糖値が正常の人よりさらに高くなる状態 |
7.0%以上 | 糖尿病の3大合併症(腎症、網膜症、神経障害)が進行しやすい状態 |
8.0%以上 | 糖尿病の3大合併症(腎症、網膜症、神経障害)がとても進行しやすい状態、他の病気で手術をする時にこの数値では許可されない場合が多く、手術はHbA1cを下げてからとなる |
9.0%以上 | 糖尿病そのものによる倦怠感、疲労感を感じやすく、感染症になると重症化しやすい状態 |
10.0%以上 | 糖尿病の治療のために医師から入院を勧められる状態 |
2「検査成績」欄: 空腹時血糖値
空腹時血糖値(mg/dL) | 値に対する評価 |
70〜90mg/dL | 正常値 |
100mg/dLを超える | 少し高め |
110mg/dLを超える | 糖尿病予備軍 |
126mg/dLを超え | 糖尿病型 |
この場合の『空腹時』とは、10時間以上絶食している状態です。
高血糖の基準1
特定健診(特定健康診査)の高血糖値は、「空腹時血糖ないし随時血糖100mg/dl以上」または「HbA1c(ヘモグロビンA1c)5.6%以上(NGSP)」が、特定保健指導の基準値(保健指導判定値)となっています。
高血糖の基準2
メタボリックシンドロームの診断基準での高血糖値は、「空腹時血糖110mg/dl以上」で高血糖とされています。
高血糖値の基準3
糖尿病の診断には、また別の基準が用いられます。
①空腹時の血糖値が110~125mg/dLの場合
「境界型」、「糖尿病予備軍」。糖負荷試験(75gOGTT)を含め、精査が望ましいとされています。
合わせて「HbA1c(正常値4.6~6.2%)」の測定結果によっては、糖尿病と診断できる場合もあるそうです。
②空腹時の血糖値が126mg/dL以上、もしくは食後の血糖値が200mg/dL以上
糖尿病が非常に疑わしいとされています。更に同時に測定された「HbA1c(1〜2カ月の血糖を反映する指標)が6.5%以上」なら「糖尿病型」と診断されるそうです。但し、 血糖値のみでは1回の検査で確定診断されないそうです。
また、少しでも障害年金に該当する可能性があると思いになった方は専門家による障害年金受給診断チェックを申し込まれることをお勧めします。
【注意点】糖尿病による合併症がある場合
腎疾患・肝疾患 糖尿病の診断書には、糖尿病による合併症を記載する欄があります。
※裏面「⑭糖尿病」欄の「5 合併症」欄
ここの欄を見て頂くとお解りの通り、記載できるスペースがさほどありません。
ですので、合併症をアピールしたい場合は、別途診断書に記載をして貰うことをお勧め致します。
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