札幌障害年金相談センターでお受けしている「障害年金」のご相談の中では、あまり多い案件ではありませんが、今回は「唾液腺がん」で障害年金を申請するポイントをまとめましたので皆さまの少しでもお役に立てれば幸甚です。また、御相談等あればお気軽にお問合せ下さい。

「唾液腺がん」とは

「唾液腺がん」 の症状

「唾液腺がん」の約70%が「耳下腺」(その80%が「良性」)に、約25%が「顎下腺」(その50~60%程度は「悪性」)に、約5%が「舌下腺(ぜっかせん)」に発生しています。

「耳の下」や「あごの下」が「腫れ」てくることで気づかれること(無痛)がほとんどのようです。この腫れ具合が、早かったり遅かったりしますが、そのことでは良性なのか、悪性なのかの区別にならないようです。

そして、症状が進むにつれて痛みしびれ、そして運動麻痺などが現れます。「耳下腺がん」では顔面神経麻痺を引き起こすことがあります。

唾液腺というのは唾液(つば)を作る組織のことです。唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があります。大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つからなり、ここで作られた唾液は管を通じて口腔内に導かれます。一方、小唾液腺は口腔粘膜やのどの粘膜の一部に存在し、直接口腔内に唾液を分泌しています。したがって、唾液腺がんとはこれら唾液腺組織を構成する細胞から発生したがんのことを指しています。唾液腺がんのほとんどは耳下腺がんと顎下腺がんで占められ、舌下腺がんはきわめて稀です。唾液腺がんは頭頸部がんの3~5%程度といわれており、頭頸科初診のがん患者さん20人に1人ないしはそれ以下になります。

唾液腺がんについての知識

唾液腺がんの広がり(病期)

T0: 原発腫瘍を認めない。                                                    T1: 最大径が2cm以下の腫瘍で、実質外進展なし。                                              T2: 最大径が2cmを越えるが4cm以下の腫瘍で、実質外進展なし。                                  T3: 最大径が4cmを越える腫瘍、および/または実質外進展を伴う腫瘍。                               T4a: 皮膚、下顎骨、外耳道、または顔面神経に浸潤する腫瘍。                                   T4b: 頭蓋底、翼状突起に浸潤する腫瘍、または頚動脈全周性に取り囲む腫瘍。N0: 所属リンパ節転移なし。                                N1: 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下かつ節外浸潤なし。                                N2a: 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmを越えるが6cm以下かつ節外浸潤なし。                               N2b: 同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下かつ節外浸潤なし。                               N2c: 両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下かつ節外浸潤なし。                             N3a: 最大径が6cmを越えるリンパ節転移で節外浸潤なし。                                   N3b: 最大径が6cmを越えるリンパ節転移で臨床節外浸潤あり。                                  M0: 遠隔転移を認めない。                                        M1: 遠隔転移を認める。

病期分類

病期1: T1N0M0                                                            病期2: T2N0M0                                                           病期3: T3N0、N1M0またはT1、2、3N1M0                                               病期4A:T1、2、3N2M0 T4aN0、N1、N2M0                                                病期4B:T4b、 Nに関係なく、M0 Tに関係なく、N3M0                                              病期4C:TNに関係なくM1

「唾液腺がん」 の障害認定基準

「顎下腺」 や 「舌下腺 」が腫れることで、そしゃく嚥下(えんか:食物や水分を飲み込むこと)機能に支障をきたし、食事をすることが困難になったり、誤嚥(ごえん:食物などを誤って喉頭と気管に入ってしまう状態)の可能性が出てきます。

そしゃく・嚥下機能の障害の程度は、摂取できる食物の内容、摂取方法によって区分され、関与する器官、臓器の形態・機能、栄養状態等も十分考慮して総合的に認定されます。

そしゃく・嚥下障害の障害年金認定基準

1級・そしゃく・嚥下障害で1級に該当するものは原則ありません。
2級・流動食以外は摂取できないもの、経口的に食物を摂取することができないもの、および、経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの。 (食事が口からこぼれ出るため常に手、器物などでそれを防がなければならないもの、または一日の大半を食事に費やさなければならない程度のものをいう)
3級・経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ栄養の併用が必要なもの、または全粥または軟菜以外は摂取できない程度のもの。
障害手当金・ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のもの

また、「そしゃく機能の障害」と「嚥下機能の障害」は、併合認定されませんので注意が必要です。

癌(がん)の障害年金認定基準

1級(オ)著しい衰弱又は障害の為、身のまわりのことが出来ず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲が概ねベッド周辺に限られるもの
2級衰弱又は障害の為、次に掲げる状態に該当するもの
(エ)身のまわりのある程度のことは出来るが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出などがほぼ不可能となったもの
(ウ)歩行や身のまわりのことは出来るが、時に少し介助が必要で、軽労働は出来ないが、日中の50%以上は起居しているもの
3級著しい全身倦怠の為、次に掲げる状態に該当するもの
(ウ)歩行や身のまわりのことは出来るが、時に少し介助が必要で、軽労働は出来ないが、日中の50%以上は起居しているもの
(イ)軽度の症状が有り、肉体労働は制限を受けるが、歩行・軽労働・軽い家事・事務などは出来るもの
障害手当金・身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を 加えることを必要とする程度の障害を有するもの

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