概要
光線過敏症とは、光を浴びることで皮膚症状が生じる病気です。薬剤や遺伝性疾患、代謝性疾患などを原因として発症することがあります。
光線過敏症では、光を浴びると皮膚が赤くなったり、かゆくなったりします。皮膚症状が現れる状況を詳細に評価し、原因に応じた対応策を講じることが大切です。薬剤が原因となっていることも少なくないため、薬の使用歴も治療方針を決定するために重要となります。
原因
薬剤や遺伝性疾患、代謝性疾患などが原因となります。
薬剤
光線過敏症は、以下のような薬剤を原因として発症することがあります。
ニューキノロン系やテトロサイクリン系などの抗生物質
解熱鎮痛剤
β遮断薬
カルシウム拮抗薬
糖尿病薬
抗がん剤 など
内服薬のみならず、塗り薬や湿布薬が原因となることもあります。また、医薬品以外にも化粧品や日焼け止めなどに含まれる物質が原因となることがあります。
遺伝性疾患、代謝疾患
光線過敏症は、遺伝性疾患や代謝疾患により発症することもあります。具体的には以下のような病気に関連して発症することがあります。
ポルフィリン症
ペラグラ
色素性乾皮症
フェニルケトン尿症
全身性エリテマトーデス
皮膚筋炎
シェーグレン症候群 など
症状
光線過敏症では、日光に曝さらされた部分を中心に皮膚の発赤や痛み、水ぶくれ、かゆみ、蕁麻疹じんましんのような皮膚変化、うろこのような皮膚変化などが生じます。皮膚に生じる変化は、光線による刺激を受けてから早くに現れることもあれば、数日ほど空けてから現れることもあります。
また、まれにアナフィラキシーと呼ばれる状態を起こすことがあります。この場合、頭痛や吐き気、めまい、息苦しさ、ふらつきなどの症状が現れます。
そのほか、光線に対する過敏性が代謝疾患や遺伝性疾患などによって現れている場合には、基礎疾患に関連した症状がみられることもあります。
検査・診断
光線過敏症を診断するためには、下記のような症状出現前後の状況を詳細に聞き取ることが重要です。
日光にあったあとから症状が悪くなった
日光の当たった場所に症状が出ている
以前から原因となりうる内服薬を飲んでいた など
また、遺伝性疾患や代謝性疾患と関連して病気の発症に至ることもあるため、基礎疾患の確認も重要です。原因疾患を特定するために、血液検査や尿検査、遺伝子検査などが行われることもあります。
光線過敏症が疑われる際には、皮膚のパッチテスト、光内服検査などの検査が検討されます。これら検査では、光に対する皮膚の反応性を評価します。
引用元:光線過敏症
具体的な症状については、実際に当センターへご相談があった方の症状をご紹介致します。皮膚に水疱、湿疹が出る、皮膚が異常に乾く等の症状がでる方がいらっしゃいました。
光線過敏症による検査自体が、 (適切な表現か解りませんが、相談者の言からのイメージとして)症状を誘発させるからなのか、とても苦痛であり、大変なので、転院する際でも数年前の検査内容のままで治療を受けたい、という方もおられるようです。※その方は、LEDでも反応されるようで、胃カメラでも発症されるし、テレビ・パソコン等も30分も前にいたら皮膚に症状で出るようでした。
自宅の家に居ても、窓から入る光で症状がでる為、カーテンを閉めて生活をされていました。
Contents
分 類
外因性光感受性物質によるもの | ⇒ | 薬剤性光線過敏症 | 光接触皮膚炎 | |
内因性光感受性物質、代謝異常 | ⇒ | ポルフィリン症 | ペラグラ | ハルトナップ病 |
DNA修復機序の異常 | ⇒ | 色素性乾皮症 | Cockayne症候群 | |
メラニンの低下 | ⇒ | フェニルケトン尿症 | ||
EBウイルス | ⇒ | 種痘様水疱症 | ||
その他 | ⇒ | 日光蕁麻疹 | 慢性光線性皮膚炎 | 多形日光疹 |
光線過敏症は、服用していた薬で発症する例もあるです。
薬剤性光線過敏症を診断する検査
内服照射試験 | 薬剤を服用後、皮膚に人工紫外線を照射 |
光パッチテスト | 薬剤を皮膚に24~28時間貼付した後、その部分に紫外線を照射。 |
一般検査 | 末梢血管一般、肝機能、抗核抗体、抗DNA抗体、抗SS-A抗体などを、必要に応じて行う。 |
光線テスト | UVB、UVAの最小紅斑量(MED)測定 |
また、血液検査だけでなく、「遺伝子検査」を受けることを医師に勧められるケースがあるようです。※「遺伝子検査」は、大きな病院でないほぼ受けれないようです。
ニューキノロン系抗菌薬 | ⇒ | 特にピリドンカルボン酸系のもの | 毒性,光アレルギー性反応 |
テトラサイクリン系抗性物質 | ⇒ | 光毒性 | |
解熱消炎鎮痛薬 | ⇒ | オキシカム系,プロピオン酸系(ケトプロフェン,スプロフェン), | ナブメトン、ケトプロフェンは経皮吸収後,皮膚に長期に残存し,中止後数週間経ても皮膚炎を生じる。 |
血圧降下薬 | ⇒ | β遮断薬(塩酸チリソロール), | 降圧利尿薬,Ca拮抗薬,ACE阻害薬 |
糖尿病治療薬 | ⇒ | スルホニル尿素系血糖降下薬、 | 光毒性,光アレルギー性反応 |
精神神経用薬 | ⇒ | 光毒性,光アレルギー性反応 | |
添加物1 | ⇒ | メントールなどの局所刺激剤は,日焼け様症状を悪化させる。 | |
添加物2 | ⇒ | オキシベンゾン・・・紫外線吸収 | |
添加物3 | ⇒ | チメロサール・・・・・殺菌防腐剤,ワクチン類にも添加 | |
サンスクリーン剤 | ⇒ | PABA,オキシベンゾン,シンナメート・・・化粧品,医薬部外品などに配合されているもの,光アレルギー性 |
障害認定基準
光線過敏症に関する障害認定基準は、下記の通りです。
『いわゆる難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、発病は緩徐 であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、その認定に当 たっては、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定 するものとする。 なお、厚生労働省研究班や関係学会で定めた診断基準、治療基準があり、それに該 当するものは、病状の経過、治療効果等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況 等を把握して、総合的に認定する。』