デリケートであれば尚更聞取りに時間を。

今回の案件は、聞き取りをする際には、「誰と一緒に」聞取りをするのか。ご来所される方には、親族の方と同伴される方もいらっしゃいます。この場合、多くはご本人の方から見ると信頼されている方であることは間違いありませんが、時に、ご本人にしてみると、その同伴者の方の前では言えないこと(発病のきっかけとなった、病状を悪化させた等)を抱えていっらしゃる場合もあります。

ENさんは家庭環境が非常に複雑で親子関係も不安定であり、尚且つ、母親の彼氏からも性的虐待を繰り返し受けていました。そのため、未成年の頃から自殺未遂を繰り返すようになり、病院を受診しても精神的な病気に対して否定的な母親から通院を中断させられ、どんどん精神を病んでいってしまいました。

その後、結婚し出産するも夫との関係は最悪で、躁うつ病を発症していました。離婚後、子供を一人で育てていましたが、子供も発達障害を持っており、自分の病状も改善の兆しが無いため、当センターへ障害年金の申請を委任されました。

精神疾患の方に見受けられるのが、多くの病院を転院して受診される事です。障害年金の申請では全ての通院期間を記載しなくてはならないため、各病院の初診日・終診日を確認するだけでも大変な作業となります。当事務所では書面や電話にて、全ての通院期間を病院に確認し、記載漏れを防いでいます。

また、ENさんは、今まで医師や親にも言えなかった幼少期からの精神疾患の病状・日常生活を打ち明けられた。多くの場合、LINEを中心で教えて頂きました。思い出すだけでもとても辛いお話なので尚更だと思います。

そのことを踏まえて、病歴・就労状況等申立書を作成した結果、障害基礎年金2級の認定を受ける事が出来ました。

追伸・最初、当センターにご本人さんと母親さんとでご来所頂いておりました。後々になって、そのときに私へ伝えられなかったことをお話頂きましたが、親子関係の大切さを思い知らされもしましたし、せいぜい障害年金の手続き代行ぐらいでしかお役に立てれていない自分の無力さも思い知らされました。

私どもの事務所へ来られる方々の中には、このような方々がいらっしゃることを忘れずに業務に当たっていきたいと思います。

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