うつ病による障害年金の請求事例を紹介します

強迫性障害から派生したうつ病で障害年金を受給できた事例

私どもの札幌障害年金相談センターにて、Aさん(50代女性)のご主人様から「妻は戸締りを何回確認しても不安で、強迫神経症と診断されました。障害年金の手続きの支援をお願いします」という切実なご相談を承りました。

認定基準では、「神経症は、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う」と定められています。

当センターでAさんとお話しする機会をいただき、症状の詳細を伺いました。「最初は鍵閉め確認から始まりました。手洗い、電気・ガスのON/OFF、洗濯、掃除、炊事とどんどん確認の対象が増えました。自分でも頭では『本当は鍵は閉めた』とはわかっているのですが、それでも、何回も何回も確認しないと不安で、次の行動に移ることができません。自分ひとりでの確認では安心できなくなり、昼夜かまわず夫にも一緒に確認してもらわないと気がすまなくなりました。日常生活に大きな支障が出たため、精神科を受診しました。しかし、お薬をのんでも一向に確認行為はおさまりませんでした。戸締り確認に疲れ果て、そもそも戸締り不要にするために外出をしなくなりました。家中が清潔であることの確認も苦しいので、自室に一日中ひきこもるようになりました。仕事帰りの夫に家事を全部任せっきりになってしまい、自己嫌悪感が強まりました」とのことでした。

私どもの経験から、強迫観念による気分の落ち込みや強迫行為を避けようとして引きこもる行動は、うつ病の発症につながりやすいことを認識しております。強迫観念による恐怖や不安は大きくなり、それを解消するための強迫行為にかかる時間は増加の一途をたどります。そして、次第にあらわれる日常生活での支障や家族・友人とのトラブルが自責の念につながりうつ病を誘発するのです。強迫性障害という病気が原因と理解できても「一生治らないのではないか?」という絶望感がうつ病につながるケースも少なくありません。

当センターでは、主治医の佐々木先生に「神経症は認定の対象とならない」ことをご説明し、「診断書記載要領」の重要な箇所をお示ししました。特に「①『障害の原因となった傷病名』欄に神経症圏(ICD-10コードがF4)の傷病名を記入した場合であっても、『統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害』または『気分(感情)障害』の病態を示しているときは、その病態とICD-10コードを記入してください」という部分に注目していただきました。

佐々木先生のご理解により、診断書に「強迫性障害(F42)、うつ病エピソード(F32)」と記載していただき、うつ病エピソードが気分(感情)障害の一種であることから、Aさんは障害基礎年金2級を受給できることとなりました。

後日、Aさんのご主人様から喜ばしいご報告をいただきました。「『パートで働かなければ』という不安から解放されたおかげで、鍵閉め確認などの強迫症状がマシになりました」とのことでした。

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