うつ病による障害年金の請求事例を紹介します
うつ病で障害年金を受給するまでの道のり
Aさん（30代女性）は、うつ病の影響で仕事を続けることが難しくなり、不安な日々を過ごしていました。生活のためアルバイトを始めるものの、体調が優れず長続きしない状況が続き、将来への不安が募るばかりでした。そんな中、友人の紹介を受けて札幌障害年金相談センターに相談することを決意しました。
Aさんが来所された際、日常生活では食事や身の回りの清潔を保つことが困難で、常に薬を携帯しないと不安を感じる様子でした。これらの状況から、障害基礎年金2級に該当する可能性が高いと判断しました。しかし、初診日が17年以上前に遡ること、通院先の頻繁な変更、記憶の曖昧さなどの要因があり、どの病院の受診を初診日とすべきかを整理する必要がありました。
札幌障害年金相談センターでは、Aさんがこれまでの病歴や通院の状況について丁寧にお話しできるよう、時間をかけてヒアリングを行いました。その結果、Aさんが当初考えていた初診日ではなく、不眠の症状を理由に内科を受診した日が初診日であることが判明しました。このような場合、精神障害に至る前の症状でも因果関係があると認められる場合があり、適切に初診日を特定することが重要です。
現在通院中の医療機関に診断書の作成を依頼し、詳細かつ正確な内容を記載していただきました。これを基に、病歴や就労状況を具体的に記載した申立書を作成しました。その結果、Aさんは障害基礎年金2級の認定を受け、年間約80万円の受給が決定しました。
札幌障害年金相談センターは、Aさんが安心して相談できる環境を提供し、障害年金の支給に繋がるサポートができたことを心から嬉しく思っています。
うつ病による障害年金受給への道のり
Aさんは、大学院の情報科学修士課程を卒業後、都内の情報サービス会社に就職しました。しかし、職場でのミスが続き、上司からの厳しい叱責が相次ぎ、ストレスが溜まり体調不良を引き起こしました。
春頃から強い不安感が押し寄せ、それに伴う嘔吐や下痢の症状が現れました。この状態はうつ病の兆候であり、専門的な治療が必要でした。メンタルクリニックに通い始め、服薬治療を開始しましたが、不安感、意欲の低下、そして自殺未遂が続いてしまい、仕事を続けることが困難となりました。
会社を退職し、健康の回復に専念することを選択したAさんは、障害年金の申請を検討していました。体と心の状態を考慮し、生活の維持を図るための支援を求めて、私たち札幌障害年金相談センターにご相談いただきました。
Aさんがご相談に来られた際、その体調は非常に悪く、話の内容がまとまらず、記憶も不確かでした。私たちは一度面談を中断し、体調が良くなった際に再度ご連絡をいただくことにしました。
体調が回復した後、具体的な状況、特にこれまでの体調の経緯と現在の体調について、詳しくヒアリングさせていただきました。Aさんが通院していたクリニックは2箇所だけでしたので、私たちが速やかに初診証明書の手配を行いました。
診断書作成の際には、現在の主治医に対して、うつ病を抱えているAさんの日常生活状況について詳細にヒアリングした内容を資料として提供しました。この情報をもとに、主治医に診断書を丁寧に作成していただきました。
また、病歴状況等の申立書は、私たちで作成させていただきました。その際、体調が悪化した時点から現在までの体調の変化と、うつ病を抱えているAさんの日常生活状況に焦点を当て、詳細に記述しました。
私たち社会保険労務士としての役割は、Aさんの状況を理解し、適切な支援を提供することです。そのためには、適切な情報を集め、それを用いて各種の手続きを適切に進めることが必要です。それにより、障害を抱えるAさんが生活の中で適切な支援を受けられるように、私たちは努力してまいりました。
結果として、うつ病の症状により、私たちが障害年金の申請を行い、2ヵ月後に障害厚生年金2級が認定され、月額約14万円の障害年金受給が決定しました。
この結果は大変喜ばしいものであり、Aさんにとっても大きな安心感をもたらしました。医師からは一定期間、療養が必要との診断が下され、その期間は働くことができない状況でしたが、毎月十数万円の年金が支給されることになったことで、Aさんは生計を立てる上での心配が軽減されたようです。
私たち札幌障害年金相談センターとしては、このような結果を見ることができて大変嬉しく思います。Aさんの生活の質の改善、そしてその生活を支えるための経済的な支援が提供されることが確定したことは、私たちが提供した支援の価値を証明するものとなりました。
障害を抱える人々が必要とする支援を確実に受け取ることができるよう、これからも尽力してまいります。
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