うつ病による障害年金の請求事例を紹介します
うつ病による障害年金受給までの道のり
Aさん（30代・女性、無職）は、うつ病により日常生活に大きな困難を抱えておられました。働きたくても仕事が続けられず、今後の生活への不安を強く感じていらっしゃいました。そのような状況の中、Aさんは「自分が障害年金を受給できるのか」を悩みながら、私たち札幌障害年金相談センターにご相談くださいました。
私たちは、まずAさんのお話を丁寧に伺うことから始めました。発症当時から現在に至るまでの日常生活の様子や、病気によってどのような困難があったのかをじっくりとお聞きしました。Aさんは幼少期から人付き合いに苦手意識があり、思春期には家族関係にも悩みを抱えたことなどをお話しくださいました。このヒアリングを通じて、Aさんが障害年金の対象となる可能性が高いと判断し、正式にサポートを開始しました。
初診日は高校生の頃に遡るため、診療記録が既に破棄されていましたが、初診日を示すPCデータが残っていることが分かりました。このデータを活用するとともに、第三者証明を準備することで証明の補強を行いました。また、診断書作成時には、Aさんとともに医療機関を訪問し、医師に直接お話をして実情に即した診断書を作成していただくようお願いしました。
その結果、Aさんは障害基礎年金2級の受給が決定し、年間約78万円の年金を受け取れるようになりました。Aさんは「本当に自分が受給対象になるとは思わなかった」と驚きつつも、生活の安心を取り戻されたご様子でした。障害年金の制度について「自分にも可能性があるのでは」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。私たちは全力でサポートいたします。
うつ病による障害年金受給への道のり
Aさんは30代の女性で、無職の状態でした。うつ病を患っており、障害基礎年金2級（20歳前）の申請結果を受け、年間約78万円の支給額を受給できることになりました。
7年ほど前、Aさんは自力で障害年金の申請を行いましたが、不支給となった経緯がありました。当時は「不安障害」の病名で申請していたとのことです。札幌障害年金相談センターでの初回相談時、「不安障害」は神経症であるため、原則として障害年金の支給対象外であることを丁寧に説明させていただきました。
面談でAさんの詳しい状況をお伺いすると、障害年金請求当時と比べて症状が大幅に悪化しており、診断名も「うつ病」に変わっているのではないかとのお話でした。Aさんは7年前と同じ病院に継続して通院されているとのことでしたので、主治医に「うつ病」の病名で診断書を書いていただけるか確認をお願いしました。
確認の結果、現在の主治医は障害年金請求当時の医師から数年前に変わっており、「うつ病」で診断書を記載することが可能とのことでした。そこで、前回申請した際の申請内容を分析するため、札幌障害年金相談センターでAさんの了承を得て、前回申請時の申請書類の開示請求を日本年金機構に対して行わせていただきました。
Aさんから病院の通院歴などをお聞きしたところ、前回障害年金を申請した際の初診日より以前に、別の病院を受診されていたことがわかりました。そのため、その最初の病院にカルテが残っているか確認をお願いしました。
残念ながら、カルテは既に廃棄されているとのことでしたが、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出し、当時の病院の領収書が残っていたので、そのコピーを根拠資料として添付させていただきました。
幸いにも、3か所目の病院のカルテが残っており、20歳前に通院したことを証明する「受診状況等証明書」を取得することができました。
申請にあたっては、病歴・就労状況等申立書の記載など、前回の申請内容と矛盾しないよう、細心の注意を払って申請手続きを進めさせていただきました。
申請のポイントは、「不安障害」から「うつ病」に診断名が変わった時期とその状況でした。そのため、診断書の依頼書や病歴・就労状況等申立書の作成準備を慎重に行いました。
Aさんの病状が悪化していったため、なかなか手続きが進まないなどの困難もありましたが、ご家族の協力の下で、申請手続きを完了することができました。
結果として、障害基礎年金2級（20歳前）の認定を受けることができました。前回申請時の申請書類の情報開示を行い、細かい点に至るまで分析・検討を加えた上で、申請方針・対策を考えたことが今回の成功につながったと考えております。
札幌障害年金相談センターでは、一度不支給になって再度障害年金の請求をする場合、前回の申請書類の中の情報を活用することが、障害年金受給のための近道になると考えています。特に、不支給となった原因を明らかにし、そこを出発点として方針や対策を考えていく視点を大切にしています。
Aさんのケースを通じて、障害年金申請の難しさと、専門家のサポートの重要性を改めて認識いたしました。今後も、一人でも多くの方の障害年金受給のお手伝いができるよう、誠心誠意努めてまいります。
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