相談事例紹介

メールにてと札幌障害年金相談センターにご相談が寄せられました。

件名：群発頭痛による退職に伴う障害年金の相談

お世話になります。
群発頭痛による就労困難について、障害年金の相談をさせていただきたく、メールをお送りいたします。

私は15～180分続く激しい片側性の頭痛に悩まされており、結膜充血や鼻閉などの症状を伴う発作が1日に複数回起こることがあります。そのため、月に4回の欠勤を余儀なくされ、3月31日に退職という結果になってしまいました。

現在も治療を継続しておりますが、障害年金の受給要件に該当するか確認したく、ご相談させていただければと存じます。

ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

群発頭痛による障害年金の可能性

群発頭痛とは？

群発頭痛は眼周囲～前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が数週から数ヵ月の期間群発することが特徴です。夜間、睡眠中に頭痛発作がおこりやすく、頭痛発作時に眼の充血や流涙、鼻汁や鼻閉、縮瞳と眼瞼下垂（まぶたが下がること）などの症状を伴うことが多いことも特徴です。また、頭痛発作中は落ち着かず興奮したような状態になる方が多く、動けなくなる片頭痛とは対照的です。
群発頭痛：一般社団法人日本頭痛学会

群発頭痛では障害年金受給は2級・3級が一般的

頭痛に苦しむ方が少なくありません。通常の頭痛とは異なり、業務遂行が不可能なほどの激しい痛みや、通常の生活に著しい支障をきたすような症状がある場合には、障害年金の受給資格を得られる可能性があります。

会社勤めの方や公務員の方の場合、重度の頭痛症状により障害年金3級の受給対象となることがあります。さらに、頭痛に加えて他の精神症状を伴う場合は、2級の受給も視野に入ってきます。このように、頭痛を理由とする障害年金の申請は十分に認められる選択肢となっています。

しかしながら、頭痛などの精神疾患による障害年金の申請を個人で行った場合、認定されない可能性が高くなる傾向があります。そのため、頭痛でお困りの方は、遠慮なく札幌障害年金相談センターにご相談ください。

では具体的に、頭痛による障害年金の受給を実現するにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。以下より、頭痛を理由とした障害年金受給に向けての基本的な考え方についてご説明します。

障害年金の受給可能性は、群発頭痛の症状の重さと日常生活への影響に基づきます。相談者の場合、頻繁な欠勤と退職の事実が評価される可能性があります。

では、頭痛による障害年金受給の判定基準を等級ごとに次のように区分されています。

障害等級ごとの状態は、障害等級1級が常時介助を要する状態、障害等級2級が日常生活において顕著な制約がある状態、障害等級3級が就労活動に著しく制限がある状態となります。

激しい頭痛であっても、食事や排泄などの基本的な生活動作が完全に不可能となるケースは稀であるため、頭痛単独での1級認定は現実的ではありません。

一方、投薬治療を受けているにもかかわらず、頭痛が原因で十分な就労が困難となり、例えば現場作業から事務職へ配置転換せざるを得なかったようなケースは障害等級3級に該当します。さらに、就労が不可能な上、日常生活にも大きな支障をきたす状態である場合は、障害等級2級相当と判断されるでしょう。

※下の表は一般的な障害等級の基準を示したものです。ご参考にして下さい。

障害等級	障害認定基準による定義	定義を具体化した例
１級	身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの	日常生活を送る上で、他者の支援なしではほぼすべての活動が困難な状態を指します。最低限の自己管理はかろうじて可能であるものの、それを超える行動が著しく制限される方、あるいは入院治療や在宅での介護を要し、活動範囲がベッド周辺に限定されるような方々が、障害等級1級認定の対象となります。
２級	身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの	必ずしも介助を必要としないものの、日常生活において重大な制約があり、就労による収入を得ることが不可能な程度の障害状態を指します。具体例として、自宅での簡単な調理など、軽度の活動は遂行可能であるものの、それ以上の負荷のかかる活動が困難な方、あるいはその実施が制限されている方が該当します。また、入院中や自宅療養中で、活動範囲が医療施設内や居住空間内に限られるような状態の方も、障害等級2級の認定基準に合致します。
３級	傷病が治らないで、労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの	就労活動において顕著な制約を受けている、あるいは就業上の制限が必要とされる状態を指します。通常の生活動作はほぼ支障なく行えるものの、職務遂行に関して一定の制限が必要な方が、障害等級3級の対象となります。
障害手当金	傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの

群発頭痛が障害年金の対象になるかどうかは、医師の診断書や具体的な症状の記録が重要です。相談者もこの点を明確にする必要があります。

群発頭痛による障害年金申請のポイント

群発頭痛による障害年金の申請においては、症状が日常生活や職務遂行にもたらす具体的な支障を詳細に説明することが求められます。申請時には、頭痛発作の回数や強度、治療における課題点、それらによって生じる生活上の制約について、十分な根拠とともに提示する必要があります。

医療機関における診療履歴の確実な管理と、担当医との良好な関係構築も不可欠です。診断書の作成依頼時には、症状や生活への影響を具体的かつ詳細に記載いただくことで、より適切な審査判定につながります。

相談者の状況を詳細に伝えることが、適切な支援やアドバイスを受ける第一歩となります。特に退職や欠勤の具体的な状況は重要な情報です。

群発頭痛で障害年金を受給した事例

群発頭痛に苦しむAさんは、5年前に虫歯治療で歯科医院を訪れた後、左目周囲に激しい痛みを感じるようになりました。その後、日々の激痛で外出もままならない状態に。ご家族が札幌障害年金相談センターへ相談したことで、初診日特定や書類作成をサポートし、障害厚生年金3級を無事に受給できた事例です。

初診から診断までの道のり

Aさんは5年前、虫歯治療のため歯科医院に通院していましたが、その後、虫歯の痛みとは異なる激しい痛みが左眼の周囲に現れるようになりました。ある晩、左眼窩から足裏までの激痛に襲われ、身動きが取れず救急車を呼びました。しかし受け入れ先が見つからず、自宅で安静にするしかありませんでした。翌朝も痛みが続き、過去に経験したことのない症状に不安を抱えながら脳神経内科を受診したところ、「群発頭痛」と診断されました。その後、複数の薬が処方されましたが効果はなく、ほぼ毎日激しい発作が繰り返されました。このような状況で、Aさんのご家族から札幌障害年金相談センターに電話相談をいただき、私たちはその後直接お会いして詳しい状況をお聞きしました。

日常生活の困難と相談のきっかけ

Aさんは一人暮らしで、週に3回訪問看護の支援を受けていました。看護師の方に薬の管理や掃除、買い物、食器洗い、ゴミ捨てなどのサポートをしてもらう生活を送っていますが、それでも日常生活は困難を極め、就労も難しい状態でした。Aさんの日常を丁寧にヒアリングした結果、障害等級に該当する可能性が高いと判断し、札幌障害年金相談センターとして全力でサポートすることをお約束しました。

初診日の確認と準備のプロセス

札幌障害年金相談センターでは、まず群発頭痛という原因傷病の初診日を確定しました。次に、Aさんの日常生活の様子を詳細に伺いながら、医師への診断書作成依頼を行うための自己申告書を丁寧にまとめました。また、診断書の記載内容を確認する際には、発病から現在までの受診記録や就労状況を整理し、病歴就労状況等申立書を作成するプロセスもサポートしました。

障害年金の受給と今後の可能性

最終的に、障害認定日の遡及請求が認められ、Aさんは障害厚生年金3級の認定を受け、遡及分を含む約210万円の年金を受給することができました。日常生活や就労の難しさから2級に相当する可能性もありましたが、群発頭痛の症状は原則として認定基準外とされるため、今回は3級での認定に留まりました。札幌障害年金相談センターとしては、今後、うつ病などの併発がある場合に併合認定を目指す選択肢も含めて引き続きサポートを検討していきます。

その他の請求事例を紹介します。

慢性群発頭痛と障害年金3級受給事例

障害による日常生活の困難に直面し、将来への不安を抱えている方へ。慢性群発頭痛で苦しむAさんも、仕事を続けられない状況から当センターにご相談くださいました。私たちは発作の頻度や酸素使用量を詳しく資料化し、スムーズな障害年金3級受給を実現しました。一人で悩まず、札幌障害年金相談センターのサポートで、新たな一歩を踏み出しませんか。